講演

「第 32 回くらしき未来 K 塾」にて講演

講演

2022.09.17

公益財団法人有隣会 OHARA HOUSE KATALYZER 語らい座大原本邸 館長 山下陽子様にご依頼頂き、講演させて頂いた。

公益社団法人大原美術館 理事長の大原あかね様からご挨拶

2008年から始まった社会課題解決型インターンシップを中心に、これまでのインターンシップで分かったこと、採用とは別の企業にとってのメリットなどをお話させて頂いた。

1.インターンシップ受け入れの目的
2.取り組み事例
3.社内外の変化と影響
4.社会課題解決型インターンシップにこだわる理由
5.三省合意によって何が変わるか? 

もともと以下の3つを目的にインターンシップ受け入れをスタートさせた。
1.会社を元気に
2.若い人を教えられる人財に
3.学生さんのアイディアを事業化する

そもそも採用を目的にしていなかったのは2008年当時、なかなか自社のような会社に大学生が新卒で入社することを期待していなかった、ということもあった。

インターンシップメニューは以下のようなものでスタートした。
インターンシップメニュー松竹梅
梅…就労体験、通常業務のお手伝い
竹…既存の社会課題解決プロジェクトチームに入り活動
松…自分で新たな社会課題解決プロジェクトを立ち上げ、運営

直近、先週5日間のインターンシップを終えた学生さんの例も紹介。
写真右の学生さんは短大1年生。短大1年生のインターンシップは特に大変とも聞く。
なぜなら在学期間が短い中ですぐに就職活動になってしまう。

それだけに彼女は明確な高い目的意識を持ってインターンシップ臨んだ。その明確な目標とは「起業」だった。

彼女は5日間という限られた期間内で関心のある化粧品関連企業へのヒアリング、化粧品のサステナイビリティに取り組み団体代表へのヒアリングなどを行い、自分の起業したいコスメ企業の基本となる、化粧品のサステイナビリティについてまとめたリーフレットを作成した。
つい先日インターンシップを終えた彼女の最終日の感想を紹介したいと思う。

「大川印刷の皆さま、5日間と いう短い間でしたが、本当にお世話になりました。 今までで1番成長できた5日間でした。 インターンシップで学んだことを生かし、そしてこれからも学び続け、いつか絶対に起業するという夢を叶えます。インターンシップは終了しますが、これからも私の成長をどうかどこかで見守っていただけると嬉しいです。 本当にありがとうございました」。

 

なぜ、直接採用になかなかつながらないインターンシップ受け入れを続けるのか?

現在は新卒採用もできるようになった大川印刷だが、2021年度は13名のインターンを受け入れて採用はゼロ。ではなぜインターン受け入れを続けるのか?

1.社会変革を目的に、その可能性を持った若者の育成と支援
  →若者は国家や社会の課題解決を担う未来の人財

2.社内からは決して出てこない発想やアイディアが得られる
  →新事業や新商品の開発につながる可能性

3.実際に体験した人の評判や口コミは信頼性が高く、学生さんの信頼が得られる
  →ゼミの先輩や先生が宣伝してくれる。

4.大学との関係性強化→今後採用にも期待

5.学生さんは未来のお客様→将来発注側になる可能性も

三省合意によって何が変わるか?
三省合意とは
三省合意によって何が変わるかについても考えをお話した。
これによって現状のインターンシップのプログラムが見直されることを期待しつつ、企業のとって都合のいいインターンシップ、すなわち少しでも優秀な学生を早く選別し(他は切り捨てて)採用への囲い込みを行うようなことのみを目的にしないように願っている。それは以下のような考えに基づく
・企業は本来、国家や社会の課題を解決するために存在するのではないか?
・それならば国も大学も企業も学生も共通の課題認識と目的意識の共有が必要
・とりわけ教育に関して企業は、自社利益のみを追求してはいけない。
・それを追求する限り、学生も大学もそれに合わせざるを得ない状況を作ってしまうことに気づかなければならない。
・そしてそれを続ける限り既存の企業の考え方や、やり方を超えた人財の活躍する場は作られない。

講演後、車座になって語り合う場があった。
会場から「コロナ禍の3年間で変わったこと、変わらなかったことは?」との質問を頂いた。
そこで思い出したのが、LITTLE FEET(リトルフィート)というバンドのメンバーがコロナ禍に発表したこの映像だった。

3年前、この映像を観たときに、人が集まれなくても、これだけ良い演奏を収録して配信できてしまうことに驚いた。かなり編集をしたのであろうが、その出来栄えの良さに感激した。

3年経った最近、たまたまこの映像を観る機会があり、観てみるとまた違う印象を持った。
それは、何か?

根っこに人が創った良い曲と良い演奏があり、その上に技術革新がある、ということ。

言い換えれば、どんな技術が発達したとしても、根本的に重要なこと、変わらないことは、人間の創り上げたものや、「愛」といったものなのだ、ということ。

そして翌日大原美術館に行き、更にその思いは確信となった。
教科書や何かで観たことがある作品の数々を実際に目の当たりにして感じたのは、
人間が創り出した芸術や作品は、どんなに高度な技術等で再現、表現したとしても、
実態のある現物そのものには敵わない、ということ。

スマホやタブレットで映像や音楽を「観た気」「聴いた気」になっていてはダメなのだ。

話は変わるが、トップの画像の向かって左は「語らい座大原本邸 」館長の 山下陽子さん、右は玉島活版所六代目の原絢子さん。私と同じ六代目だ。原さんは受講者だったが、熱心にたくさんご質問頂いた。
いつもとは異なる地域で実際に人々にお会いして交流すること、対話することの大切さを改めて感じたひと時だった。この場所は七代目大原孫三郎氏(クラレ設立)はお茶、そして八代目大原總一郎氏(クラレ社長)はレコード鑑賞を楽しんだという離れ座敷「思索の、間」。
時代が変わっても人が思索を巡らせる場を体感した。

離れ座敷からのお庭の風景

 

今回は高校や大学の教育者、企業のサステナビリティに関心のある金融機関の方、市会議員の方まで様ざざまであってが、それぞれの課題感や期待を目の当たりにした。
それを受けて最後に情報の共有と提案ですが、現在私が関係するCIAC(産学協働人材育成コンソーシアム)では、より良いキャリア教育を目的に、先進的かつ有効なインターンシップの紹介を学校向けに、そしてインターンシップを受け入れる企業向けのセミナーも開催を予定している。
そして更に本気で起業にとってもメリットを最大限に引き出すインターンシップを目指す企業には大川印刷によるコンサルティングプログラムも予定している。
関心のある方はCIACもしくは大川印刷までお問い合わせください。
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最後までお読み頂きありがとうございました。心から感謝申し上げます。

おわり

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