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大丈夫。やってみよう。

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2020.07.14

NO MORE! SDGsウォッシュ第三弾
~「非行歴・犯罪歴がある人」も、「大丈夫、働けます」。~

無事、終了しました。視聴してくださった方、誠にありがとうございました。

第二弾から日が空いてしまったということもあり、その間、オープニング演出に磨きをかけました。本イベントがスタートすることとなった背景、そして大川印刷の会社概要について、テンポよくコミカルに伝える手法を探りました。イベントを企画・開催する過程でSDGsを体得し、仕事に臨む上でも人としても見識を深めていきたいという思いを込めて、パダワン(見習い)という呼び名を選びました。いかがでしたでしょうか?

さて、今回は「普通」に生活していれば出会うことのないような方をゲストにお招きしました。言いしれぬ緊張感から、まさかの本番当日にものもらいになってしまったというのは、ここだけのお話です(よく見ると左目が少し腫れているかと思います)。。。

ゲストの一人は、視覚障がい者、成澤俊輔さん。
打ち合わせ、そして本番でも、自分の視野の狭さに気付かされました。
成澤さんはお話の中で、
「経営者の最大の悩みは答えのない苦しみがあること。わかりやすい三文字でいうと『なんで』?眼が見えない僕の悩みは、字が書けないこと、書類を読めないこと、そんなことではなかった。僕にも答えのない苦しみがありました。なんでこんな境遇なんだろう?なんでこんな思いをせなあかんのか?僕にとっての障がいとは、人と同時に何かを楽しめなかったときに感じるもの」だとおっしゃっていました。

その言葉を聞いた時、冒頭に流したオープニングムービーもまだまだ不完全だったかもしれないと痛感しました。限られた対象しか想像できていなかった。
今や使い慣れたオンライン会議システムZOOMも、自分が話していないときは「ミュート」に切り替えがちでしたが、視覚情報がない成澤さんにとっては、「ミュート」にしていない方が、聴き手側の反応などがわかるとご指摘いただき、それこそ盲点だったと反省しました。物理的に眼が見えているから、物事まで見えているかというと、そうではないのだと思い知りました。

もう一人のゲストは、犯罪歴のある方の雇用を手掛け、自身も非行歴のある三宅晶子さん。
刑務所で時給7円代の労働をし、わずかな所持金で出所した先に待っているのは、家族にも見放されて帰る家がない、住所がなければまともな仕事も探せない、携帯もない、生きるために、再び些細な犯罪をおかして刑務所に戻るという壮絶な現実。
できるなら、そんな過去を価値に変え、嘘で包み隠す必要がない社会を作りたい。
ネタになるように喜劇になるように、生きればいい。そんな願いで、三宅さんはヒューマン・コメディという会社を経営されています。聞こえは良いけれど、簡単なことではないはずです。

私は、大学生のとき「逸脱の社会学」という講義を受けたことがあります。
日本の犯罪動向を題材として取り上げ、その増減が示唆する社会的な含意について考察する講義でしたが、刑務所に再び入所した人の約7割が無職であること、社会に居場所がないために再び犯罪を重ねてしまうという悪循環があることは、この講義の中でも扱われていました。そこから見えてくるのは、社会の集合意識の危うさや、犯罪を取り締まる側の偏ったまなざし、私たち自身の存在不安といったものです。

その意味で、批判に晒されながら、歓迎されない社会に再び放り込まれる人々にとって、刑務所を出たはじめの一日に待ってくれている人がいる、やることがあるというのは、計り知れないほどの価値であり、「チャンス」なのだと思いました。

成澤さんは、そんなヒューマン・コメディという会社の取り組み自体が、経営メッセージだとおっしゃっていました。できるようになったらやるんじゃなくて、やったからできる。できるようになるための技術やスキルをつけることよりも、やってみるハードルを下げること。結果じゃくてプロセスに思いをはせること。成功とか失敗、メリット、デメリットではなく「心理的安全性」があるかどうか。

言い得て妙であると同時に、とても共感できるメッセージでした。
ちょうど先週、私は会社の朝礼で「正直、今の会社の中で、一番心理的安全性があるのは社長です。『やってみよう』という思いを汲み取ってくれる人がどれだけいるのでしょうか。思っていることがあるなら、直接言葉にする必要があるのではないでしょうか」という発言をしました。だいぶ向こう見ずで無鉄砲な発言をしたと思いますが、140周年を迎える大川印刷のさらなる展望を思い描いたときに、経営者であるか新人であるか否かに関わらず、チャレンジする心を持ち、それを他者にも委ねられる度量が求められると感じたがゆえのものでした。

とは言いつつも、「目の前の人を変えることはできない」という三宅さんの言葉、そして「自分が真に変わった時に相手も変わっていく」という社長の言葉から、まだまだ自分も精進しなければならないと思いました。

私にとって、NO MORE! SDGsウォッシュという場は、「やってみよう」の原点であり、
会社というホームからアウェイに飛び出す学びの場です。
迷ったときには、「大丈夫」という言葉をかけてくれる社長がいます。
裏でサポートしてくださったり、リアルタイムで工場から見守ってくださっている先輩方がいます。

成澤さんと三宅さんのお話を聞いて、のびのびとやりたいことをやらせてくれる会社に、改めて感謝の念が湧き上がりました。

これからも飾らないパダワンでいきたいと思います!

 

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