この作品は明治21年、132年前の子年の作品と思われます。
もう何年も前に伊勢佐木町の古書店で入手しました。
3枚つづきの浮世絵で、その紙面を存分に活用した絵となっています。
河鍋暁斎は風刺画や戯画、妖怪や幽霊画から狩野派の美人画まで自在に描く、私にとって大好きな絵師の一人です。
酒を飲むほどに筆が走る、9歳で川から流れてきた生首を写生、幕末〜明治の時代なのにロックやサイケに通じる数々の絵を描くかと思えば、狩野派の美人画もすこぶるうまい、極めてユニークな絵師。
この「大黒天福引之図」は昔読んだ本の記憶では、干支に合わせてお正月用に発表された浮世絵のひとつです。
昔はおめでたいお正月に縁起物として飾られたのでしょう。
大黒様が福引をさせているのは表情も様々なネズミたち。
子宝のシンボルの二股大根があるかと思えば、二等は小判、そして小判よりも上等な一等は酒、と本人のユニークさがここにも表れています。
また七福神はコミカルに踊ったり酒を飲んだり。
絵も素晴らしいのはもちろんだが、摺り(すり)も素晴らしい。
これだけの多色刷りをキチンとした位置に摺り、ぼかし(グラデーション)技術を駆使した髭や毛髪の表現など、実に素晴らしいです。
印刷の原点の一つとして新年、新入社員さんに見てもらいました。
タブレットやPCでは感じることのできない、紙でなければ表現できないものを実感することはとても大切だと考えています。
皆様にとって今年一年がより良い年でありますように。
本年もどうぞ宜しくお願いします。
おわり
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